大林組はスーパーゼネコンの1社
ゼネコンとはゼネラルコントラクターと呼ばれ、建築工事や土木工事の全てを一括で請負い、工事全体を取りまとめる役を担う企業です。今回はその中でもスーパゼネコンと呼ばれる5社の1つである、大林組の事業内容と業績、今後の株価について解説していきます。
大林組は2019年度売上高で業界NO.1!建築からロボティクスまで新領域へも積極的
スーパゼネコンの中でも大林組は2019年度の売上高NO.1に位置しています。そんま大林組の特徴はやはり建築分野に限らず、カーボンニュートラルやロボティクスなど新領域にも積極的な姿勢を見せている点が特徴的です。そんな姿勢を表すように大林組の公式HPには、事業内容として「建築・土木・開発・新領域」と紹介されています。

大林組の業績は黒字で推移しているが、営業利益が思うように伸びない・・・
大林組の2020年の売上高はやや減少していますが、2021年度の業績は前年度に比べて1400億円ほど増加する見通しとなっているようです。一方で、営業利益は2020年度の減少に引き続き、2021年度も前年度比で280億円程度減少する見通しとなっているようです。
受注は堅調なようですが、何重にもなった下請構造を持つ建築業界では経営上非効率な部分も多く、利益を逼迫してしまっている点は以前から有識者の間ではよく問題となっており、改めてそれが露呈した形となっているようです。


短・中期トレンドは緩やかな上昇トレンド?
直近の株価推移を見ると、9月末が配当の権利確定月であったためか直近では緩やかな上昇トレンドを描いているように見えます。(下図の青の直線で囲まれた部分)
しかし、9/29は権利落ち日なので、短期では減少に転ずることが予想されます。
今後の株価予想
短・中期の株価を予想するのに私がよく使用するのはPERです。権利確定月であれば、配当利回りを比較することも考えますが、権利落ち後なのでPERを重視します。
スーパゼネコン各社のPERは基準である15倍に比べて低い状態にあることや、PBRについても全社が基準である1を切っています。建築業界全体がファンダメンタル的には株価が安い傾向にあることがわかります。
その中でも大林組はどうかというと、清水建設よりもPERが低く、PBRが鹿島建設よりも低いことを考えると建築業界の中では、まだ上昇の余地が残っているように感じます。
しかし、株価のトレンドは上昇トレンドを描いているとは言い切れず、現状ゼネコン業界の利益率の低さはすぐには改善しないことを考えると、まだ投資するタイミングではなさそうです。
PER(2021/9/30時点) | PBR(2021/9/30時点) | |
大林組 | 9.32 | 0.71 |
大成建設 | 11.76 | 0.90 |
清水建設 | 11.03 | 0.80 |
鹿島建設 | 9.07 | 0.81 |
竹中工務店 | 上場していない | 上場していない |
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